知的な障害に配慮した環境デザイン

第2回 玄関のバリアフリー

 

 玄関は家の顔ですから、親しみやすく清潔にしておくことが大切です。余計なものを置かず常に整理整頓し、花や緑で飾るなど訪問者が心地よく感じられるよう配慮します。

 

1.ゆとりをもたせる

 玄関では、靴を脱いで下足箱に入れる、雨の日は傘をたたんで傘立てに入れるなどの行為が行われます。動作が緩慢な人も多く、できるだけゆとりのある空間を確保する必要があります。玄関に上着と外出用の小物をセットで置いておくのもわかりやすい工夫です。

2.椅子やベンチを置く

 靴を脱いだりはいたりするのに時間のかかる人や、バランスのとれない人のためには、椅子やベンチを置くとスムーズにはき替えができます。ただし、椅子が高すぎたり、あまりに軽いものは体重をかけたときに椅子ごと転倒することもあるので、ある程度重量感のある安定したものを選定するとよいでしょう。

3.一本ずつ入れる傘立て

 保護者からは傘をすぐに壊してくるという訴えがあります。理由は、傘立てに傘を入れるとき、人の傘の上であろうとなんであろうと力いっぱい突っ込むため、下になった傘が破れてしまうのだろうということです。最近では一本一本差し込めるよう穴のあいた傘立ても開発されており、入れる場所がはっきりわかり、ほかの傘と重なることもなく使いやすいものです。

4.床の仕上げを変える

 玄関に段差がある場合、あせってつまずくことがよくあります。逆に段差のないフラットな床の場合は、靴を脱がずにあがってしまう人もいます。上下足の違いをわかりやすくするために床の素材や色を変え、適宜靴のマークなどではき替えを促すとよいでしょう。テープを貼って段差を目立たせるだけでも注意を促すことができます。

5.ドアの開閉による破損やけがを防ぐ

 力の加減がわからなくて思い切りドアを閉めて壊してしまったり、手をはさんだりすることがあります。対応策としてドアクローザーをつける方法があります。ドアクローザーは、扉の閉じる力を油圧で制御し、扉の停止位置や危険のない速度に調整できる自閉金物で、ドアの大きさや重量によって適したものを設定します。

6.出入り口がすぐに開かない工夫

 知らない間に外出してしまうことを避けたいときには、ウィンドゥチャイムなどを付けて出入りを確認したり、自動ドアの場合は内側の少しわかりにくい場所に開ボタンを設けてすぐに出られない工夫や、クレセントを上下2か所につけ、同時に回さないと開かないような工夫も考えられます。


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