知的障害者通所授産施設ヤンググリーン

設計コンセプト


■建築の目的

この施設は知的障害のある人たちの保護者が中心となって、在宅障害者の就労の場を確保し、地域に溶け込んだ活動を通じて自立した喜びを感じることを目的に計画された。また、日常の楽しみや安らぎを感じる場所であってほしいというのが親たちの願いでもあった。

■立地条件

敷地は東大阪市の北東部に位置し、周辺は運送会社や町工場が建ち並ぶ地域である。


■建築計画

設計にあたって以下の点に配慮した。

1 「物理的バリア」をできるだけなくす
・明快な動線と部屋の配置
・わかりやすいサインと使いやすい収納
・安全なガラス対策と衝撃を少なくする仕上げ材

2 「心のバリア」を取り除く
・開放的な空間
・木や花で街並みに潤いを与える
・地域の人が利用できる喫茶
・皆が訪れたくなるようなおしゃれな建物

建物は3つのゾーニングに分けて計画している。

3階…くつろぐ・育てる
2階…働く・創る
1階…食べる・集まる

1階の入口近くにはゆったりくつろげる椅子を置き、地域の人が利用できる喫茶コーナーを設けた。2階の作業室は作業内容の変化に対応できるよう、フレキシブルな空間構成とし家具で仕切って利用する。3階はショートステイのできる3LDKと屋上菜園を設けた。


 

 



ヤンググリーン平面図


食堂前のテラス・コートから階段室方向を見る。地域の人たちが利用できる喫茶コーナーが設けられている。



玄関から食堂をみる。床や家具に国産ヒノキの集成材を使った落ち着きのある空間としている。


2階の廊下と作業室を見る。扉や壁面をパステルカラーで仕上げ楽しい空間としている。中の様子がうかがえるよう廊下側に丸窓を連続して設けている。

 


3階のショートステイ利用者のための食堂とたたみ敷の居間を見る。右手に個室が3室あり、左手に屋上菜園がつづく。

■意匠・ディティール

内装は国産ヒノキの集成材を床板、腰壁、家具に使っている。木材を多用した空間は、色彩、匂い、感触、音の響きなどが柔らかく利用者や職員が落ちついて過ごせる要因になっている。 利用者が最も頻繁に使う階段室は、ヤンググリーンのモニュメントのあるグリーンの壁面にトップライトから自然光がふりそそぐ気持ちの良い空間である。又、2階の扉や壁面はパステルカラーで仕上げ楽しい作業室となるように計画した。
医務室はリラクゼーションのための部屋として利用できるよう、壁をクッション材で覆い床はコルク材の上にタイルカーペットを敷いて安全を確保するとともに、色彩は神経を落ちつかせるブルーを基調とし、調光できる照明とバブルチューブを設置した。

トップライトから壁面の「ヤンググリーン」のモニュメント(グリーン)に光のそそぐ階段室



■環境への配慮


・雨水を地下貯水槽に蓄え屋上菜園の散水に利用

・太陽光による発電で雨水を屋上にポンプアップ

・夜間電力を利用した躯体蓄熱により昼間の冷暖房使用負 荷を減らし、輻射によるやさしい室温調整

・屋上菜園、屋上緑化により断熱性を高める

・厨房から出る生ゴミから堆肥をつくり屋上菜園で利用

・家具及び内装に自然素材の国産ヒノキを使用




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